万葉烏梅染/商品づくりの歩み

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当店は、こだわりの着物創りをしています。
装う方のお顔、雰囲気をいっそう引き立たせる、周囲の方をも素敵な気分にさせる、清潔感があって、すっきりとして上品で…。
実現したいことはキリなくございますが、まず辿り着いた答えは、その方を引き立たせる
『色で見せる着物』を創ることでした。
生地、色、模様にこだわり、ひとつひとつ丁寧に着物創りをすすめております。

万葉烏梅染について

万葉烏梅染について

装う方のお顔、雰囲気をいっそう引き立たせる。
周囲の方をも素敵な気分にさせる。
創りたいものは、それを実現する、清潔感があって、すっきりとした上品な着物です。

烏梅を染料として使用するには工夫と手間がかかります。
しかし、「お顔を引き立たせる色」の着物を長年研究し創り続けて参りました結果、
烏梅を使用した染めの優れた発色性、程よく上品な光沢感にすっかり魅了され、オリジナルの烏梅染の品々を創るようになりました。

古くから烏梅は、紅花染をする際、「酸」によって紅の色を布に美しく染着させるための媒染剤として利用されていました。現在でも、一部で紅花染や、紅に使用されています。

当店の万葉烏梅染の着物は、選び抜いた上質な生地を、上品で深みのある色に染め上げ、烏梅の染料を掛けることにより、美しい色合いに仕上げています。
赤、黄、茶、緑、青、紫、鼠の7つの日本色を軸に染め上げられた百余色の万葉の色を、是非お楽しみいただきたく思います。

万葉烏梅染について

烏梅は、梅の実を燻製にしたもので、烏(カラス)という字の「全体に黒く~」という意味合いにちなんで名づけられたといわれています。
日本に「梅」が伝わってきたのは中国からですが、中国の古名では、梅のことを「烏梅」と書きます。

古来中国では、梅といえば、燻製梅のことをいい、主に薬として利用されていたようです。
万葉時代、遣唐使により日本に伝えられたのも、この烏梅の薬(漢方薬)としての効能で、その後樹木も伝えられました。

万葉烏梅染について

烏梅は、漢方薬としてだけでなく、染めにも利用されました。特に紅花染にはなくてはならない貴重なものでしたが、明治以降、化学染料の輸入により需要が減り、生産も激減していきました。しかし、現在でも、烏梅は完熟した梅の実を煤でまぶして乾燥させ、手間をかけて創られています。

古くから梅の名所で知られる奈良の月ヶ瀬村で烏梅造りをされているのは、国の文化財保存技術「烏梅製造」の唯一の保持者として認定されておられた中西喜祥さんから代々の製法を受け継ぎ、同じく認定を受けられた中西喜久氏宅の1軒のみ。
私どもは、製造を頑なに守り続けてこられた、この中西氏の烏梅を使用しています。

商品づくりの歩み

1978年 開店 現会長が問屋から独立し呉服店を開業。当時は、市場のものを仕入れ販売する という、従来どおりの小売店形態でした。
その後、現代女性に合った、「着る方にとって良いキモノを創る」ことを目指し、オリジナル商品を手掛け始めます。
1986年
(昭和61年)
「色むじのキモノ」 ひと昔前と現代の女性の容姿に違いを感じ、より洗練されてきた現代女性の、“お顔に合うキモノの色”の研究を始めました。
重厚さと深みのある色を出す為に、染屋さんに直接交渉。染め方や思いを伝え、何度も試作をお願いしました。
しぎやのむじの色として、100余色の色味が誕生します。
帯締めと帯あげ キモノの姿を引き立たせる為には、小物までも調和のとれたものが必須、との思いから、生地の風合い、色合いを研究しながら、帯締め、帯揚げ、重衿を創り始めます。
1990年
(平成2年)
のびる足袋 行田の足袋メーカーと直接 交渉して、当方の希望を受け入れていただき、履きやすい「のびる足袋」を各サイズ毎に別注しました。
毎日キモノを着る踊りの先生や お茶、着付けの先生に試着していただいた結果、形、履き心地、丈夫さ 共に喜んでいただき、メインの足袋としてスタートします。
1991年
(平成3年)
初着(産着)、七五三、振袖、留袖、訪問着、付下、小紋(万筋他)、染袋帯、染名古屋帯 きもの全般において当店独自の商品を創り始めました。
また、ご自分の好みの模様で誂えることも可能な見本や資料も準備しました。
中でも、江戸小紋“万筋”は、京都に依頼し、こちらの希望する色と重ね染めの捺染で15色を染め出しました。ひと味違う江戸小紋として、評判の高いきものです。
1997年
(平成9年)
オリジナル生地
キモノ
長襦袢
帯揚げ
◆ 色むじ用には、長浜へ向かい、からみ織りを別注
◆ キモノ用に、丹後へ、変わり一越の重め生地を別注
◆ 長襦袢用に、丹後の逸品生地を つぼつぼ地紋で別注
◆ 帯揚げ用に、丹後の逸品生地を、小花地紋と つぼつぼ地紋で別注
お客様からのご意見や、シワの出具合、染め上がりの経過などを基に、白生地の産地の方への直接交渉を重ね、試作を繰り返しながら、新しい生地が誕生していきました。 織屋さんにも、染め屋さんにも、ご苦労をかけました。
本当に面倒な事を繰り返して出来上がった生地です。
染めて良し!着て良し! 感謝感謝のオリジナル商品です。
1998年
(平成10年)
男物「八相」和の服 男物「八相」は、8通りの着方が出来る和の服で、楽に着ることが出来ると好評、全てお誂えです。
女物
「スタンドカラーコート」
襟の型を変えての長コートで、長浜の“からみ織り“生地による、ストンとした落ち感と、すっきりとしたシルエットが特徴。洋服の仕立師が仕立てる逸品です。
訪問着(絵ぼかし)
訪問着(利休ぼかし)
訪問着(三段ぼかし)
訪問着(五段ぼかし)
染職人さんに依頼し、一年がかりで当方の思い通りに染め上がった逸品です。
まさに“色と色”で着姿を表現するキモノとして、キモノ雑誌など多方面に掲載されました。
色むじとは違った、ぼかしによる色の組み合わせの研究もどんどん進めていきました。 
草履(新小判型) 職人さんに、鼻緒の穴の位置を少し移動する等、当方の細かい要望を聞き入れていただき、履きやすい新小判型を完成させました。また同時に、鼻緒も別注しました。
2000年6月
(平成12年)
喪服(黒)のスーツ 夏物・冬物共に着物の生地を黒染めし、洋服のオートクチュールデザイナーと共に、お顔に合うデザインを作成、流行の無い、身体に合わせて誂える洋服の喪服です。
特に夏物はとても涼しく着やすい為、好評の逸品です。
2002年
(平成14年)
綿入れ草履 これまでの履きやすい草履の型のまま、上台の中に綿を入れて更に履きやすくしました。
やさしい足袋 これまでの足袋に足首廻りも伸びるように生地改良をして更に履きやすくしました。
帯締め“結巴(ゆいどもえ)” 表裏色違いの半分の形の帯締めを2本つなげて使用する「ハーフ帯締め」です。
左右とも両面が色違いの為、2本つなげて4通り、3本あると12通り~と、楽しめる帯締めです。
着姿を引き立たせ、かつ いろいろ色遊びが出来る、ロングセラー商品となっております。
2003年
(平成15年)
漂彩きもの 平成3年から創り始めていたオリジナルのキモノに、お客様から「漂彩」という名前をつけていただきました。
小紋、付下、訪問着といった枠を超えて、幅広いシーンでお召し頂けるように、ぼかし染めや独自の模様付けで レイアウトしたものが“漂彩きもの”です。
2005年
(平成17年)
熟年の振袖(彩衣) 還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、その他に、節目を迎えることが出来たお祝いとして、また、将来において人生の喜びを感じる時や記念の時にお召し頂く、袖の長い彩衣を注文制作致しました。世代の容姿に合わせての模様、色合いで、多くの方の彩衣をお誂え致しました。
2008年10月
(平成20年)
烏梅の産地
月ヶ瀬に行く
特に紬など、染め上がりに より工夫はできないかと考え…。
烏梅(うばい)の産地、奈良県月ヶ瀬の中西家に訪問し、烏梅をわけていただき持ち帰ります。
染屋さんと模様師さんにも手伝っていただき、烏梅を使用した染めの試作を始めました。
2009年5月
(平成21年)
烏梅染めの良さを確認 染めの仕上げに烏梅液を利用する事で、地色の発色が良くなり、お顔映りについて良い評価をいただきましたことにより、その後、オリジナルの染め物には全て、烏梅染めを加えることとなり、「万葉烏梅染」の著作権登録をしました。
2010年3月
(平成22年)
娘が代表となることを機に、店名を万葉烏梅染しぎやとして改めて開業。
2012年
(平成24年)
袖なし羽織 従来の夏の紗の羽織に加え、袖を無くした羽織を仕立てました。
一年目は、慣れない袖無しのシルエットに皆様の反応も薄かったのですが、二年目頃から羽織姿を見た方から徐々にご依頼が増え、その後、夏には必須?というほどのアイテムとなりました。
2013年
(平成25年)
西陣帯
「あなただけの帯」
西陣において、綴れ帯など特殊なものを除いては、自分好みの模様で帯1本だけを織ってもらうことはなかなか出来ません。
しかし、織屋さんを廻って何度も口説き、実現致しました。
2018年
(平成30年)
袋帯(ふしぎな帯) お太鼓の模様が、左から見た模様と右から見た模様が違って見える「ふしぎな帯」は、機屋さんの知恵と工夫で生まれた特別な技術で創られます。
当方指定の模様で、様々な種類の帯を織っていただきました。
和紙織りの袋帯 お好みの柄模様にて、和紙で織り上げる あなただけの袋帯です。
2019年1月
(平成31年)
オリジナルコート
絹100%輪奈ビロード
(和服・洋服両用のコート)
正絹 輪奈ビロードは、現在、国内で製造されているのは一軒のみという貴重な織物です。
絹100%で軽さが最大の特徴、織り方にも特徴がある為、暖かさも違います。
キモノ用デザイン、又は、和服と洋服に着ることが出来るデザインで誂えることが出来ます。
2021年12月 新宿区上落合から、文京区目白台に移転。
「きもの」を通して、多くの方と一緒に日本文化を楽しんでいきたいという思いから、店名を 万葉きものサロン としました。
万葉烏梅染の商品づくり、2000年より続けております着物教室、様々な文化イベント等の業務を継続し、現在に至ります。

このような物づくりを続けて来ることが出来ましたのは、皆様のご支援、ご協力があったからこそと、心より感謝致しております。
改めて、厚く御礼申し上げます。
上記の歩みで創ってまいりました全商品は、現在におきましても工夫を試みながらお創りしています、当店のロングセラー商品です。
これからも頑張って参りますので、今後とも ご支援ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。